カウアイ島の観光スポット

カ・ウル・オ・ラカ・ヘイアウ
Ka Ulu o Laka Heiau

フラの女神ラカを祀る、断崖の上に遺るヘイアウ。

島の北の終点、ケエ・ビーチ手前には左手側の山にアクセスするトレイルが2つある。一つはナ・パリ・コーストへ続き、さらにケエ・ビーチ側にある比較的なだらかなトレイルをなぞって歩いた先の、崖の上にあるのが「Ka Ulu o Laka Heiau (カ・ウル・オ・ラカ・ヘイアウ)」。フラに関わりの深いヘイアウとして、フラの踊り手の間で知られており、カウアイ島にある数あるヘイアウの中でも重要視されている文化的遺産のひとつである。

Ka Ulu o Laka Heiau (カ・ウル・オ・ラカ・ヘイアウ)は、女神ラカが祀られているヘイアウである。ハワイの伝説の中では、ラカはフラと豊穣の女神、また森林の守護者であったとも言われている。火の女神ペレの妹ヒイアカの物語りにある一説では、ラカもまたペレの妹の一人であったという記述もある。そして、ラカはタヒチから家族に呼ばれて、ハワイに移ってきたとも言われている。

カウアイ島のクプナの中では、この場所を「Ke Ahu o Laka(ケ・アフ・オ・ラカ)」と呼ぶ人もいる。これは、ハワイ諸島で最古のハラウ(フラの教室)と言われている「Ke Ahu o Laka(ケ・アフ・オ・ラカ)」がヘイアウをふくむこの一帯の敷地内にあったことから来ているのだろうと言われている。

Column「Ka Ulu (カ・ウル)」とは

ハワイ語で霊感やインスピレーションと言う意味。Ka Ulu o Laka Heiau (カ・ウル・オ・ラカ・ヘイアウ)は、「ラカの霊力、インスピレーション」と訳される。フラの女神ラカの霊力に触れ、啓示を受ける場所というところだろうか。

Ka Ulu Paoa(カ・ウル・パオア)

すぐ下には、「Ka Ulu Paoa(カ・ウル・パオア)」と呼ばれる、「パオアの霊感」と呼ばれるもう一つのヘイアウがある。言い伝えによれば、パオアは火の女神ペレの恋人ロヒアウの親友で、哲学とダンス・ムーブメントに精通する人物だったそうだ。古代ハワイでは、崖下のこの場所でフラの訓練が行われたとされている。ちなみにペレとロヒアウが恋に落ちたのもこの場所だと言う説もある。考古学遺跡とされている「Ka Ulu Paoa(カ・ウル・パオア)」には、ヘイアウの基盤を解説する石が置かれている。

Ka ulu paoa heiau
現在はジャングルに埋もれているためヘイアウを見ることはできない。むやみに立ち入ることはひかえよう。
カウアイ島 カ・ウル・パオア・ヘアイアウ
Ka Ulu Paoa Heiauの近くにあるのは王家のへその緒を隠す石と伝えられる遺跡。

長い歴史の中で、さまざまな儀式が行われた場所だが、チーフなど高貴な身分の人の前でフラを踊る時は、それぞれの家系の色の衣装を身につけて敬いを示しながら踊ったそうだ。それ以外の時は、ハラウの色である黄色の布をつけて踊っていたという。ちなみに、女神ラカを象徴する色も黄色である。(同時に赤いレフアの花もラカを象徴する)

今日でも女神ラカのインスピレーションに触れ、最古のハラウがあった場所として、この場所を敬い、訪れるフラ・ハラウやフラとハワイ文化のプラクティショナーは多い。また、ハワイ諸島のハラウがこの場所でウニキ(簡単に言えば、承認の儀式)やその他のフラの儀式を行うことも多い。女神ラカのエネルギーはいまもここを訪れるフラ・プラクティショナーにさまざまな啓示を与えてくれているのだろう。

Columnヘイアウ観光で必ず守るべきマナー

各ヘイアウには「ケア・テーカー(管理者、保護する役割りの人)」と言われる人物がいる。多くの例では地域のカフナ(神官、聖職者、預言者)や由縁のある家系の人があたっているが、その人たちへのコンタクトなしに、または伝統的な慣習を知っているクム・フラ(フラの指導にあたる者)の同行なしに、ヘイアウ内に入ることは避けたい。ヘイアウに入るには、慣習に沿った入場と退場の仕方がある。観光スポットとして土足で入り、写真を撮り散らす場所ではない。さまざまなパワースポットなどの本が刊行され、その中でこれらのヘイアウの中に著者が立っている写真などを見ることもあるが、著者たちはきっと慣習に乗っ取った手順を踏んでそこに立っているに違いない。非常に恥ずかしく、文化を敬わない行為にあたるので、とくにフラやハワイ文化のプラクティショナーはこういった行動を取らないようにしたいものだ。

Information

地図 MAP
住所 Hanalei HI 96714