カウアイ島の観光スポット

マニニホロ・ドライ・ケーブ
Maniniholo Dry Cave

ハワイアン伝説を語り継ぐ天然洞窟

カウアイ島 マニニホロ・ドライ・ケーブ

カウアイ島にある洞窟の中で最もアクセスしやすいのが、北海岸ハエナ地区にある通称ドライ・ケーブ(Dry Cave)と呼ばれるマニニホロだ。北海岸を横断するクヒオ・ハイウェイ(Kuhio Hwy)沿い、ちょうどハエナ・ビーチ・パーク(Haena Beach Park)の向かい側に位置している。マカナ山の切り立った断崖の麓に大きな穴がポッカリと開いているのですぐに見つけられるはずだ。洞窟の規模は、奥行き約274メートル、200人以上は優に入れるほどの広さはあるだろう。洞窟内は十分な高さがあり日中は洞窟の奥まで外の光がほんのりと届いている。地面は乾いた砂で平らに覆われているため足元も安定していて歩きやすい。洞窟独特のひんやりとした空気と苔に似た匂いを除けば、まるで人工の洞窟のようだ。

諸説によると約3000年から4000年前、この辺りの海面は現在より2~3メートル高かったと言われている。溶岩質の断崖が長い年月をかけて北海岸の荒波で少しずつ削られてできた洞窟がマニニホロであると推測されている。かつては、ビーチと洞窟を隔てる道路もなく、洞窟を含めた現在のハエナ・ビーチ・パーク一帯をマニニホロと呼んでいたようだ。1946年と1957年の2度の大津波によって洞窟内に大量の砂が流れ込み、現在のマニニホロの景観に至った。津波被害以前の洞窟の規模は、なんと現在の倍ほどの大きさだったと言われている。当時ハワイを襲った津波がいかに大きく各地にどれほどの被害をもたらしたか想像できるだろう。

カウアイ島 Maniniholo Dry Cave
Maniniholo Dry Cave天井部の岩壁。

マニニホロの名前の由来と物語

ハワイアンの人々に大切にされてきた場所には、必ずと言っていいほど民話ともいえる昔話が語り継がれている。マニニホロにも2つの代表的な物語があるので紹介しよう。

昔々、ハエナの地にマニニホロという名の漁師の頭領であったメネフネ(ハワイの先住人と伝えられる小さな人々)がいた。メネフネたちは豊かな漁場であるハエナで大量の魚が捕れると必要な分だけを村に持ち帰り、残りの魚はマカナの崖下に隠しておいたそうだ。ある日、どういうわけか隠しておいたはずの魚が消えていた。そんなことが何度も繰り返されるうちに、マニニホロは犯人が崖に潜む悪霊であることを見抜く。そして自ら貝殻で崖を掘り、とうとう悪霊を捕らえて退治した。その功績を称えてマニニホロが掘った洞窟を「Maninihololo マニニホロ」と呼ぶようになったということだ。

また、女神ペレにまつわる神話は有名だ。女神ペレが兄弟と共にタヒチからハワイへ渡来し最初に上陸したのがカウアイ島のハエナだと言われている。ペレは火山の女神にふさわしい住処を探すためにスーパー・パワーで大地に穴を開けた。その跡が「マニニホロ」「ワイカナロア」「ワイカパアラエ」の3つの洞窟だと伝えられている。ペレが最終的に住処とした場所は、火山の島ハワイ島のハレマウマウ・クレーターであることは広く知られるところである。

Column旅のワンポイント

マニニホロの入口一帯は、駐車禁止となっている。車を利用の場合は、道路を挟んだハエナ・ビーチ・パークに駐車しよう。神話にもまつわるハワイアンにとって大切な場所なので、敬意をもって見学することが大切だ。

Information

地図 MAP
住所 5-7878 Kuhio Hwy. Kilauea HI 96754