カウアイ島の観光スポット

ソルト・ポンド・ビーチパーク
Salt Pond Beach Park

ハワイ諸島で唯一無二、古代より伝わる天然塩田が広がるビーチ

Salt Pond Beach Park

ソルト・ポンド(塩田)が周辺に広がる、西海岸沿いにあるビーチ・パーク。透明感の高い水を浅くたたえた海には、サンゴが生息し、ビーチ東側のタイド・プールでは、ハワイの海洋生物を見ることができる。三日月形のビーチの両側が最も透明度が高く、沖の岩棚に守られて比較的波も穏やかで、シュノーケリングや子供も楽しめるスポットになっている。逆に湾の真ん中あたりは手頃な波が入ってきて、ボディーボーダーに人気の高いビーチだ。ビーチ・パークにはトイレ、シャワー、また日陰を確保できるパビリオンなどの設備も完備。ビーチ・サイドにはライフ・ガードも。

ハワイの塩田群 ロイ・パーカイ
カウアイ島のロイ・パーカイはハワイ諸島の貴重な塩田群。

このビーチに隣接しているのが、「Loi Pa’akai(ロイ・パーカイ)」。一般に「Solt Pond(ソルト・ポンド)」として知られる、塩田群。土で仕切られた浅い池に、古代から変わらない天然の塩田が広がる。古代から伝わるハワイの伝統的な方法で塩が作られているのは、ハワイ諸島ではカウアイ島のこの場所のみ。また伝統的な方法で塩田を造っているのは、世界でも唯一、カウアイ島のみである。ハワイで最後の伝統的な岩塩生産地として貴重な塩田となっている。

カウアイ島のソルト・ポンド
ソルトポンドの天然塩はハワイの伝統的な手法でつくられている。

土を盛って浅く四角い池を造り、そこに海水をたたえる。太陽の光りで海水を自然に蒸発させて造る天然塩だ。カウアイ島の特にに西側には赤土が多く、その土には鉄分が豊富にふくまれている。よってカウアイ島のこの場所で採れた塩は、鉄分の多い、上質の天然塩として、ハワイ全島でも有名である。また乾燥した塩には、alaea(アラエア)または、alae (アラエ)と呼ばれる粘土質の赤土が混在している。ただし、ここで採れた天然塩は、一般には売られていない。手に入れるのが非常にむずかしく、販売目的ではなくギフトとして人に贈ったり、ハワイの伝統儀式などにおいてシェアされている。生産時期は夏。調理用はもちろん、その成分ゆえに民間医療の薬として高く評価されている。見た目はピンク色の水晶の粒のように見え、こうした色もカウアイ島のハワイアン・ソルトの特徴である。

カウアイ島 ソルト・ポンド・ビーチ・パーク
近辺には珊瑚や海洋生物が生息する透明度の高い美しいビーチが広がる。

Hui Hana Pa’akai (フイ・ハナ・パアカイ)、ハワイ語で「塩造りの手のグループ」によって管理規制がされている。祖先がやって来たものと同じ製法で造られた天然塩は、これも伝統的な方法によって、島人たちにシェアされている。

Column最初の天然塩は、キアの涙

古代ハワイを知るスポットとして知られるこの場所にはこんな伝説もある。ハナペペに住んでいた娘キアは、魚やわかめを採るためにウクラの海岸によく出かけていた。ある日、キアは必要以上に魚を獲ってしまう。必要以上に大量の魚を獲ってしまったことに罪悪感を感じたキアが海岸で泣いているところへ、通りかかった老女がこう言った。「私と一緒に来なさい」とキアを連れてビーチ際に行き、地面に穴を掘った。土の中から湧き出てくる海水で穴がいっぱいになると、そこに獲り過ぎた魚たちを入れてこう言った。「太陽の光で、魚たちが干上がるまで待ちましょう」と。こうして老女は、干し魚の作り方をキアに教えてくれたのだそう。罪の意識に泣いていたキアの涙は、安堵と喜びの涙に変わり、穴の中へとポロリと流れ落ちた。この穴の海水が干上がってできたのが、最初にこの場所でできた塩だと言われ、それはキアの涙からできたものだと言い伝えられている。そしてこれが、現在ハナペペに残る「Loi Pa’akai (ロイ・パーカイ)」の起源だとか。以来、塩作りはハワイアンの暮らしの中で必須のものとなり、いまもカウアイ島では、儀式、冠婚葬祭、薬として活用され続けている。

Information

地図 MAP
住所 Salt Pond Beach Park, Eleele, HI 96705