リフエ空港から約1時間。ハイウエイを北上して、キラウエアの町を過ぎてしばらくすると現れるのが、プリンスヴィルと呼ばれるエリア。南のポイプと並ぶ、カウアイ島の一大リゾート・エリアで、入口にはゲート変わりのハウスがあり、すぐそばには大きな噴水がある。このハウスを一歩入ると、プリンヴィル・ワールドに足を踏み込む形になる。
1860年にこの地を訪れたのが、当時ハワイ全島を統治していたカメハメハ4世、その旅に同行していた夫人のエマ女王と息子のプリンス・アルバート。この旅の2年後にプリンス・アルバートは亡くなったが、プリンスヴィルの名前はこの薄命のプリンスにちなんでつけられたとされている。そして、プリンスのあとにつく 「ヴィル」 は、1860年当時に、この辺りのプランテーションにつけられていた名前「エマヴィル」の一部から取ったと思われる。
ハナレイのすぐ手前に位置する総面積約11000エーカーを誇ると言われるプリンスヴィルは、海に面する崖沿いのホテル「セントレイジス」をはじめ、ハイ・クオリティなホテル、コンドミニアム群とゴルフ・コースで世界中に知られている。入り口に隣接するかたちでショッピング・モールがあり、スーパーマーケット、レストラン、ガソリンスタンド、ポストオフィスなどが揃い、近くには消防署まである完璧なリゾート・コミュニティとなっている。
多くのゴルフ専門誌で「ハワイNo.1」と評されたのは、2010年にリニューアル・オープンしたマカイ・ゴルフ・クラブ。カウアイ島で一番、いやハワイ全島で一番と言われて来たプリンス・コースと人気の高い2大ゴルフ・コースを内包している。
この一大リゾートだが、実はその面積のほとんどが森林や牧場になっている。ホテルやコンドミニアム、住居が建つ面積は全体の1割ほどだ。一大リゾートと言うと、コンドミニアムなどが立ち並ぶ様を思い浮かべてしまうが、ここプリンヴィルは、ゆったりした空気に包まれながら、大自然の景観を存分に堪能し、スーパー・リラックスできる、まさにカウアイ島らしい、ゆったりとしたリゾート地になっている。「ヤシの木より高いビルを建ててはいけない」という、カウアイ独自の法律に沿って建てられた低層なホテルとコンドミニアム群は、空の広さを狭めることなく、緑濃い風景の中にゆったりと点在している。
プリンスヴィルの魅力は、ここからでしか堪能できない風景でもある。海側では、広大な太平洋と美しく三日月を描くハナレイ湾が見える。季節によっては沖を悠々と泳ぐザトウクジラを眺められるチャンスもある。その背後に見えるのは、たっぷりとした雨が育んだ緑濃いワイアレアレ山。とくに夕焼けどきのプリンスヴィルは、訪れる人々の心をしっとりと潤す、癒しのエネルギーに満ちている。各ホテル内のレストランやバーでは、夕焼けの時間にハワイアン・ミュージックのライブを提供しているところも多いので要チェックだ。
Information
地図 | MAP |
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住所 | Princeville HI 96722 |