カウアイ島の観光スポット

ココ・パームス・ホテル
Coco Palms Hotel

カウアイ島を有名にした、島でもっとも知られるホテル

ハイウエイからクアモオ・ロードに曲がる角に建つ、伝説のホテル「ココ・パームス・ホテル」の跡地。エルビス・プレスリー主演の映画「ブルー・ハワイ」の撮影地として有名になり、カウアイ島の名がアメリカに知れ渡るきっかけになった。以降、エルビス・プレスリーがカウアイを訪れた際の定宿になったとか。また、エルビス以外にも数多くの映画スターが訪れ、愛したホテルだと言われる。1953年に24室のゲストルームからスタートし、1970年半ばには416室を持つリゾート・ホテルに成長したというから、当時の人気のほどがうかがえるようである。40年以上にわたってトーチ点灯の儀式が毎晩行われ、それが現在のハワイアン・ショーに用いられたと言われている。またホテル全盛期には、年間500件以上のウエディングがこのホテルで行われたという。新婚旅行で泊まったという思い出を持つ、日本からのカップルも少なくない。貝をかたどったバス・タブなど、南国をイメージした装飾品で有名なホテルでもあった。また、最近ではジョニー・デップ主演の「パイレーツ・オブ・カリビアン」のロケ地にもなっている。

1992年にカウアイ島を襲ったハリケーン「イニキ」によるダメージで、以来、ゴースト・ホテルとなっているが、これにはワケがある。再三にわたって、アメリカやその他の国の大手ホテルチェーンが、リゾート・ホテルとして買い取りをはかった経緯がある。その度に、大手ホテルグループ側とハワイアンたちの歩み寄りが行われたものの、成功を見ないままになっていた。実はこのホテルがある敷地は、ハワイアンたちが聖地として大切にしている場所でもある。ホテルの敷地内には2000本以上におよぶヤシの木の林があり、ハワイアンたちにとってこの場所は「ヘイアウ」(聖地)にあたる、自分たちが守っていかなければならない場所である。現代風の「ザ・リゾート・ホテル」の設計図が上がるたびに、ハワイアンたちから反対の声があがり、ホテル敷地前で、12時間、24時間にわたって、チャンティング(詠唱)とフラが踊られて、建設に反対するデモが行われて来た。

ようやく数年前に、以前のホテルを復元し、背後のヤシの木の林を残す形でリゾート・ホテルを建てるという案で歩み寄りが成立。その矢先、2014年7月に火災が発生し、ロビー館が全焼するという悲劇に見舞われた。そのニュースは瞬時にして島のハワイアンのクプナ(長老)、クム・フラ(フラの師匠)の間を駆け巡り、「Eha…」(ハワイ語で心が痛い)と多くの島人の心を沈ませた。

2015年から解体工事が始まり、リニューアル・オープンに向けて動き出した。カウアイ島の移り変わりを60年以上にわたって見続けてきた歴史あるホテルの再オープンに期待がかかる。今はまだ、映画の撮影地としてホテル跡地を訪ねるツアーが実施されている。多くの物語を持つホテルの跡地で、60年前のカウアイに触れるのもオモシロイのではないだろうか。

Information

地図 MAP
住所 4-1219, 4-241 Kuhio Hwy, Kapaa, HI 96746