カウアイ島の観光スポット

アラートン・ガーデン
Allerton Garden

ラワイの自然美とアートが融合された、独特の景観美が魅力の庭園。

カウアイ島の南、ハワイアンたちが、Lawai Ka’i(ラワイ・カイ)と呼ぶエリアの一部に、約100エーカー(約40ヘクタール)という広大さで広がる熱帯植物園が、アラートン・ガーデン。NTBG (National Tropical Botanical Garden/ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン)がアラートン・ガーデン・トラストの元で管理、運営を任されている。またこの庭園は、ナショナル・ジオグラフィック・トラベラー誌で「生涯で訪れたい50の場所」の一つに選ばれ、風景デザイン、景観建築の最高傑作として知られている庭園でもある。

ハワイ王朝時代からの歴史背景

植物園としての素晴らしさのみならず、非常に興味深い歴史的背景を持つのもこの庭園の魅力だろう。

Lawai Ka’i(ラワイ・カイ)と呼ばれるエリアは、カヒリ山に源を発するラワイ川の河口部。川が流れるラワイ渓谷沿いに、アラートン・ガーデン、すぐ下に並んでマクブライド・ガーデンがある。1800年代前半、このラワイ渓谷一帯の美しさに魅了されたのが、カウアイ島を訪れたクィーン・エマ(エマラニ女王)。

夫のリホリホ(Liholiho/カメハメハ4世)とともに見たラワイの風景は彼女の心にいつも残り、その思いは強く、最愛の夫と息子アルバート王子を亡くしたあと、このラワイに一時退去したほど。その美しい自然の中で傷心を癒し、一緒に旅をした思い出を回想していたとされている。ラワイ湾に面した一画に、「サマー・コテージ」と呼ばれるエマの家が現在も庭園の中に残されている。ラワイ渓谷は、1848年にエマの祖父であるジョン・ヤングの息子、ジェームス・ヤング・カネアアに与えられた土地。1885年に彼が亡くなった時に、この土地の三分の一がエマの名義になったそうだ。ちなみにこのサマー・コテージ周辺にはいまも、さまざまなカリキュラムでハワイアン・スクールの子供たちが訪れ、ハワイの歴史の一端を学ぶ場所として活用されている。

そのクィーン・エマからラワイ渓谷の一部を借りていたのが、マサチューセッツで大規模な農地を所有していたマクブライド。エマが亡くなった翌年の1886年にこの土地を購入。1899年、渓谷の低地部がアレキサンダー・マクブライドに渡ってから、川の上流にあったエマのサマー・コテージのひとつを渓谷の底部に移し、彼自身が長年にわたってその家に住んでいたという。

壮大なスケールの景観建築とトロピカル・ガーデンの設立

1938年、マクブライドはロバート・アラートンに資産を売却。アラートンはシカゴの金融富豪の息子。5年間、ヨーロッパで芸術を学び帰国。アーティストとして成功をすることはなかったものの、風景建築に魅了され、いつか理想の庭園を造りたいという夢を持ち続け、イリノイ州で彫像をメインに配置した庭園造りのプロジェクトを続けていた。その中で採用したスタッフの一人が、イリノイ大学の若手建築家ジョン・グレッグ。のちに養子として父子になるこの2人は、一緒に世界各地を旅して、芸術作品を購入し、新たなアイデアや影響を受けて知識を増やしていった。1937年に太平洋の旅からイリノイ州に帰る途上で立ち寄ったのがカウアイ島。2人は訪れたラワイ渓谷の風景に魅了され、翌年に移住。ジョン・グレッグが設計した新しい家に移り住んだのである。

2人は移住後すぐに、エキゾチックな植物を含む、庭園のデザインとレイアウトを開始。東南アジアと太平洋で集めた植物でさらに広げたトロピカルガーデンの中に幾つかのガーデンルームを配し、それぞれのガーデンルームに光と水と彼らが収集した芸術を絶妙に組み合わせた。それらはリビング・アートとして自然の環境により様々な姿を見せながら世界中のセレブ達の疲れた心を癒してきたヒーリング・ガーデンとしても知られている。

1960年代、ロバートは米国のトロピカル・ガーデン設立を決め、同じ意志を持つ団体や個人とともに議会に嘆願書を提出。1964年、ロバート・アラートン生涯最後の年に、太平洋熱帯植物園を国定の団体として設立することを承認された。あとに残ったジョン・グレッグがLawai Ka’i(ラワイ・カイ)を継承し、1986年、彼の死後はアラートン・ガーデン・トラスト(Allerton Garden Trust)によって継承されている。

アラートンガーデンのあるラワイ・カイは、古代ハワイではハワイアンたちが生活を営んだラワイ・アフプアア(Lawai Ahupua’a)。のちにエマ女王の愛するサマーハウス、そしてサトウキビ・プランテーションの大経営者によって拡大され、その後は、アメリカの芸術家と建築家によって完成された熱帯植物園となる。長い長い時間の流れと、それぞれの時代、人々の情熱と愛情の結集が今日見られるアラートン・ガーデンである。

尚、NTBG(ナショナルトロピカルボタニカルガーデン)は、米国の5つのガーデン(カウアイの「アレートン・ガーデン」、「マクブライド・ガーデン」、「リマフリ・ガーデン」。マウイのハナにある「カハヌ・ガーデン」。そしてフロリダの「カンポング・ガーデン」)を管理、運営している。そしてこれらのガーデンの管理、運営は殆どを寄付金とツアーなどの売り上げ金で賄われていることを忘れてはならない。

Column旅のワンポイントガイド

アラートン・ガーデンは、ハリウッド映画業界からの人気も高く、「パイレーツ・オブ・カリビアン」、「ジュラシック・パーク」をはじめ、多くの映画の中でその景観が紹介されている。

Information

地図 MAP
住所 4425 Lawai Beach Road Koloa HI 96756
開園日 年中無休
ツアー 9:00~15:00(1時間毎)/所要時間 約2時間30分
料金 大人 $50/子供(6歳~12歳)$25/5歳以下無料
公式HP http://ntbg.org