カウアイ島の観光スポット

リマフリ・ガーデン
Limahuli Garden

たっぷりと、どっぷりと古代ハワイからのエネルギーに浸る植物園。

ハワイ州カウアイ島のリマフリガーデン

リマフリ・ガーデンは、ハナレイからさらに北に向かった「ハエナ」地区にある、リマフリ自然保護区の低地部分に広がる植物園。南海岸のアラートン・ガーデンなどとならんで、 NTBG(National Tropical Botanical Garden/ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン)によって管理・運営されている。

ハイウエイがノースエンドに向かって道幅を狭くし、間もなく終点のケエ・ビーチかなと思う手前で急峻な坂を左に上がると、いきなり古代ハワイが目に入って来るようにこの庭園は現れる。マカナ山を背後にひかえて谷間の低地に広がる庭園は、復元されて建っている古代のハレ(家)とあいまって、そのタイム・トリップ感はとても高い。

この場所は、古代の住居システム「アフプアア」をいまも継続している自然保護区で、ハエナ・アフプアアに属している。資源管理と自然資源を守るたくさんの試みが行われている興味深い、また多くの意味で現代人が学べるアイデアを実施、その知恵をシェアする場所にもなっている。またヘイアウ(聖域)として、ハワイアンの人々から敬まわれ、大切にされている一帯でもある。ヘイアウとされるのは、リマフリ自然保護区の全体になり、マカナ山の山頂から、このリマフリ・ガーデンまでが聖域となっている。

リマフリ自然保護区は、約1000エーカー(東京ドーム約86個分の面積)という広大な敷地に広がり、およそ250種のハワイ諸島固有の植物および鳥たちが、人の手が入らない姿で保存されている。この中には50種におよぶ絶滅危惧種がふくまれ、この場所でしか見ることのできない品種もふくまれている。

1967年、ジュリエット・ライス・ウィックマンがこの土地を手に入れ、孫のチャールズ・チッパー・ウィックマンとハウオリ夫人の手により、リマフリ渓谷の復元作業を開始。1976年に非営利団体 NTBG(National Tropical Botanical Garden/ナショナル・トロピカル・ボタニカル・ガーデン)に寄贈されたもの。後年1994年には、チッパーとハウオリ夫人が渓谷の残り部分の985エーカー(397ヘクタール)を寄贈し、正式にリマフリ保護地区が誕生するにいたった。

リマフリガーデン内は軽いトレイルになっていて、約1時間半ほどで周れるコース。そのトレイル沿いに希少な植物などが自然な形で配置されている。41のサインが立てられ、古代の住居システム、アフプアアや航海カヌー、考古学的な遺跡、固有種の森の散策などのセクションを持ち、ハワイ文化の一端を学ぶ貴重なコースにもなっている。また、植物園内を流れるリマフリ・ストリームは、島に残された最後の手つかずの水路である。

儀式の山、マカナ

最初にも書いた植物園の背後にそびえるマカナ山。ハワイ語で「贈りもの」という意味を持つこの山にもいくつかの物語りがある。ハワイ語で’Oahi (オーアヒ)とは火投げの意味。マカナはこのオーアヒの場所として知られており、非常に特別な儀式が行われる、聖なる山であったそうだ。山頂に登ったカネ(男性)たちが、火のついた槍を海に向かって投げる。暗闇の中、真っ赤な火が、弧を描きながら海へと落ちていく様は迫力のある風景だったに違いない。このマカナの火投げの儀式は、伝説というよりは限りなく史実に近いものだと思われる。この他にも、植物園のコースの中にある石にまつわる伝説がいくつかあるが、カウアイに残る伝説集に書かれている。

絶滅危惧の固有種を見ながら、ゆっくりとどっぷりと古代ハワイの暮らし、古代ハワイアンが持っていた叡智に触れられる、カウアイでもエネルギーの強いパワー&エナジー・スポットである。

Columnビジターセンターの見どころ

植物園の入り口(出口もここ)にあるビジターセンターは、実はカウアイ島やハワイ文化の知識を知るのに最適な本の宝庫でもある。とくにこの区域、ハエナ・アフプアア、隣接するワイパ・アフプアアでクプナ(長老)たちに熱心にインタビューをして多くの著書を出版している、フレドリック B.ウィックマン、ハワイ文化本のクィーン的存在、メリー・カヴェナ・プクイなど信頼できるジャーナリストたちの本が揃っている。ビジターセンターでの売り上げは、リマフリ自然保護区の運営資金にまわされるので、何か気になったものがあったら、ぜひこのビジターセンターで購入したいものだ。

Information

地図 MAP
住所 58301 Kuhio Hwy Hanalei HI 96714
アクセス リフエ空港から車で約5分
開園時間 火曜~土曜日 9:30~17:00(閉門16:00)
定休日 月曜・日曜(要確認)
入園料 大人$20/大学生(学生証が必要)$20/子供(18歳以下・大人同伴)無料
備考 ガイド付ツアー(約2時間半): 火曜~土曜日10:00のみ/別途料金