カパアの町から南西方向に見える山がノウノウ山。手軽なトレッキング・コースとしてローカル&ツーリストに人気の高いこの山は、遠景から見たそのシルエットが、まるで巨人が横たわっているように見えることから、ローカルからは「スリーピング・ジャイアント」の名で呼ばれ、親しまれている。巨人が横たわるシルエットを見るのに一番良いのは、リフエのアフキニ・ランディング・ポイントから。もう一つはワイポウリからカパアにかけての、クヒオ・ハイウェイ沿いからよく見える。カウアイの山側を代表する景観のひとつである。
さて、カパアの町の山側に横たわるこの巨人。名前を「プニ」と言ったそうだ。よく知られている伝説としては、オアフから軍がカウアイに侵略をしかけてきた時に、カラダの大きなプニに島人たちが助けを求めようとしたというもの。助けを求めてもぐっすり眠って起きないプニを起こそうと、島人たちがプニに石を投げたところ、プニのカラダから跳ね返った石が、海上にいるオアフ軍のカヌーに跳ね返り、オアフ軍はカウアイ攻略をあきらめて引き上げたという。島人たちがお礼を言いにプニのもとを訪れると、島人たちが投げた石のいくつかがノドにつまり、プニはすでに石になってしまっていたというお話。
また、こういう伝説もある。昔、ワイルアの山側に巨人がいて、彼が大きな足で歩くと、その跡が真っ平らな平地になったそう。その平地になった跡地に島人たちはバナナの木を植えたのだとか。(放浪の巨人がいて、彼の歩いた跡地がタロイモ畑になったという説もある)ある時、島の尊長が島人たちにヘイアウを造るようにと指令を出した時のこと、島人たちは仕事で忙しかったものの、巨人が手伝うよと申し出て、ズンズンと歩いて平地を造ったため、たったの2週間で立派なヘイアウが完成したとのこと。巨人に感謝し喜んだ島人たちは宴を開いて祝いをし、その宴で食べ過ぎてしまった巨人が眠りに落ち、そのまま起きてこなかったそうだ。口から口へ伝えられている話では、それ以降、カウアイ島に侵略を試みる軍がいると聞くと、この巨人の背後にかがり火をたいて、そのシルエットを夜空に浮かび上がらせたそうだ。巨人のシルエットを見た侵略軍はその大きさにひるんで、カウアイ島への侵略を考え直すだろうという試みだったそうだ。その巨人の名は「ヌヌイ」と呼ばれていたという話もある。
伝説は時として滑稽でしかも哀しい内容のこともある。オパエカア滝の北側にある頂、スリーピング・ジャイアントにまつわる話はこうだ。昔、島には小人族メネフネが住んでいて、プニという巨人と親しくしていた。ある日、オアフの軍隊が島に攻めてきたので、メネフネたちはプニに助けを求めようとした。ところがプニは眠り込んでいて起きてくれない。困ったメネフネたちは浜辺から石を投げて巨人を起こそうとした。プニは目覚めなかったが、彼に当たって跳ね返った石は海まで飛んでいったので、オアフ軍は慌てて逃げ帰った。メネフネたちは礼を言おうとしてプニのところへ行ってみると、巨人は自分に向かって投げられた石を飲み込んで死んでいたという。
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Column旅のワンポイントガイド
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このスリーピング・ジャイアント(ノウノウ山)へのトレッキングは3つのコースがある。比較的なだらかで足元の道が整っているのが、クアモオ・ロードを上がって、オパエカア滝の先にある入り口から登るルート。もうひとつは、少し傾斜があるが比較的短距離で山頂へいける山の西側(ワイルア・ホームステッド)からのコース。日々のエクササイズやイヌの散歩に、ローカルたちにもっともよく使われるルートはここ。もうひとつがワイルア・ハウスロッツから登るコース。3つとも途中で合流するので、山の反対側へ抜けることも可能。山頂からはワイルアの町が見渡せ、朝陽の時間に登ると、東海岸から登る朝陽を高台から見渡せる、絶景ポイントでもある。
Information
地図 | MAP |
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住所 | Wailua, Hawaii |