カウアイ島のアクティビティ

ナ・パリ・コースト・クルーズ
Na Pali Coast Cruise

ハワイ最大級の造形美、クルージングで行く秘境海岸。

ローカルにカウアイ島のイチオシのアクティビティーを尋ねると、大半の人は、空から見るカウアイ島遊覧、もしくは、海から見るナ・パリ・コースト・クルーズを挙げるだろう。それもそのはず、カウアイの美しさは、車や徒歩では容易にアクセスできない島の約8割にこそあるからだ。

ハワイ諸島の中で最初に地上に姿を現したカウアイ島。約500万年前ともいわれるほど気の遠くなるような長い年月をかけて自然が作り上げた荘厳なランドスケーピングが最大の特徴だ。なかでもナ・パリ・コーストは、世界的にも有名な観光スポットとして知られている。切り立った断崖が、まるでカーテンの如く島の西北の海岸線に幾重にも連なり、崖にそって海へと流れ落ちる滝や自然の洞窟が相まって、息を飲むほど完璧な景観美を作り出している。ハワイ諸島でも珍しいナ・パリ・コーストの絶景には、誰もが圧倒されるはずだ。

ハワイアン文化において、ナ・パリ・コーストは、神聖な区域でもあり、ハワイアンの祖先たちが暮らしていた大切な場所でもある。美しさもさることながら、まるで自然の要塞のような険しい渓谷には、かつてハワイアンが暮らした村「アフプアア」の跡が残っている。この渓谷は、山からの清い水、豊かな緑、目の前には雄大な海を有し、生活に必要なすべての自然要素に恵まれていたのだ。ツアーによっては、渓谷にまつわる貴重な逸話もガイドしてくれるので、ハワイの原点を知る機会になるだろう。

ウミガメ、モンクシール、イルカ、クジラ、野生動物との出会いも。

カウアイ島近郊のクルーズでは、海の野生動物との出会いも楽しみのひとつだ。1年を通してウミガメやハワイアンアザラシを間近で見ることができるほか、イルカたちが船の近くに現れ、走るボートに合わせて泳ぐ光景も日常的だ。また、例年12月から4月頃には、ハワイの海域に子育てにやってくるザトウクジラにも遭遇できるかもしれない。運が良ければ、ナ・パリの絶景とホエールウォッチングの2本立てを、クルージング1つで堪能できることもある。

ナ・パリ・コースト・クルーズの種類と選び方。

ナ・パリ・コーストのクルージング・ツアーには、いくつかの種類がある。
主なツアーは、西海岸の「ポートアレン・ボート・ハーバー」、またはワイメアタウンの先にある「ケカハ・ボート・ハーバー」から出航している。夏の6月から9月にかけては、北海岸の海が穏やかになる時期にあわせて、よりナ・パリ・コーストに近い港「ハナレイ・ベイ」から出航するツアーもある。夏にカウアイを訪れたらチェックしてみよう。

また、クルージングは、船の種類で選ぶことも大事なポイントだ。大きなカタマランやクルーザーは、アクションよりも、のんびりと景観を楽しむことに向いているだろう。ほとんどのツアーでは、コンディションの良い場所に錨を下ろしてサンドイッチなどの軽食やシュノーケリングを楽しませてくれる。小さな子供連れには大きめのボートは安心だ。

スピードとスリルを味わいたいなら、ラフティングと呼ばれるエンジン付きの小型高速ゴムボート「ゾディアック」で行くツアーがある。海のコンディション次第では、ボートのまま海の洞窟の中に侵入したり、渓谷に挟まれた静かな美しいビーチに上陸してピクニックが楽しめる。

いずれのクルーズも安全には万全を期しているので、天候や海のコンディションによっては、スケジュールの変更や中止になることもある。マザー・オブ・ネイチャーが微笑んでくれるのを願いながら、参加者自身も臨機応変に対応することを心がけておく必要があるだろう。

ナ・パリを訪れたら、これぞ世界が注目するカウアイ島の風景として、しっかり目に焼きつけてほしい。さあ、準備ができたら裸足になって甲板へ。カウアイ最大級の自然美を身体中で堪能しよう!

Columnクルーズを満喫するために、事前に準備しておこう。

日焼け止め、タオル、サングラスは必需品、水着は服の下にあらかじめ着込んでおこう。船上でも水に濡れることを想定して、カメラや携帯電話は、ジップロックバッグなどで、しっかりカバーしておくのもおすすめだ。また、波しぶきで濡れた体は、海風を受けると急に肌寒くなることがある。熱中症対策も大事だが、薄手の防寒・撥水加工のウインドブレーカーやアノラックを携帯しておくと安心だ。船酔い体質の人は、酔い止め薬も忘れずに。