カウアイ島のアクティビティ

カヤック
Kayaking

水面で自然と一体化、ゆったりと流れる時間を堪能しよう。

ハワイ・カウアイ島のカヤック・ツアー

カウアイ島の中央にそびえるワイアレアレ山をはじめとする山々。降り注いだ恵みの雨は幾筋もの川となって、たわやかに海へと流れてゆく。海と河川に恵まれたカウアイは、マリン・スポーツと共に、川で楽しむアクティビティーも盛んだ。中でも最もポピュラーなのが「カヤック」だろう。カヤックの醍醐味は、水面とほぼ同じ高さに体を据えることにある。まるで水に浮く木の葉に乗ったような不思議な感覚を味わうことができる。水面を吹く風を感じながら、日常から離れた自然の中に身をゆだねる…まったり感が心地いい、この島にぴったりのアクティビティーだ。

カヤックは、場所やカヤック本体の種類によって様々な楽しみ方があるようだ。アクティビティー用のレンタルで多く使用されているポリエチレン製のカヤックは、胴体部分に空気をたっぷり閉じ込めた状態により抜群の安定性があり、初心者でも扱いやすいと言われている。パドル操作のコツさえつかめば初心者でも比較的簡単に楽しめるはずだ。まずは、穏やかな川でのリバー・カヤックで、自然の景色を眺めながら優雅なカヤッキングを堪能してほしい。パートナーと一緒に乗りたい場合は、二人で漕ぐタイプのダブル・カヤックもオススメだ。二人の息を合わせてゆっくりパドリングしてみよう。

リバー・カヤック River Kayak

リバー・カヤックは、カウアイ島を代表する人気アクティビティーの一つと言えるだろう。まずは豆知識として、リバー・カヤックが盛んな3つのメジャー・スポットを紹介しよう。

 ワイルア川

カウアイ島で最もカヤックが盛んな場所が東海岸にあるワイルア川。カウアイの王家にまつわる由緒ある川としても知られておりワイルア州立公園の中に位置している。観光名所シダの洞窟があるのもこのワイルア川だ。豊富な水量と程よい川幅、穏やかな流れはカヤックに最適な環境が整っている。ほとんどのツアーは、河口から出発して3キロメートルほど上流にあるシークレット・フォールを目指すことになる。川の両側に生い茂るハウのジャングルに沿ってゆっくりとゆっくりと漕いで行く。カヤックで水辺を移動した後は陸地に降り、片道1.5キロメートルほどのジャングルを軽いトレッキングをして目的地のシークレット・フォールで休憩をとる。ちなみにこのハウの樹だが、時期になるとハイビスカスに似た花を咲かせ、時間と共にオレンジへと変色し川の水面を流れていく。黄色やオレンジの花が水面を漂う様は、さらにハワイアンな気分を盛り上げてくれる。

 フレイア川

フレイア川周辺は自然保護区に指定されるエリアだ。ハワイアン文化にとっては、ハワイアンの貴重な生活システムであるアフプアアがあった場所として大切にされている区域でもある。フレイア川のカヤックツアーは、リフエ地区のナウィリウィリ湾の河口から3キロメートルほど上流までカヤックで上り、ジャングルをトレッキングしてキプ・ウォーター・フォールをゴールに目指すのが定番のルートになる。キプ・ウォーター・フォールからの帰りは、モーター付きのハワイアンカヌー船でメネフネ・フィッシュポンド(アレココ)などの史跡を観光しながらのんびりと帰港できるコースが人気だ。

 ハナレイ川

カウアイ島で特に世界に名を知られているのが北海岸のハナレイだろう。ハナレイ・ブリッジからハナレイ川を上流へ向かうと自然保護区に入る。この近辺は美しい山々を背景にハワイのさまざまな野鳥を見ることができる希少なエリアだ。この辺り一帯、ハナレイ川の中州に広がるタロイモ畑の田園風景は、カウアイの代表的な景観の一つに挙げられている。これらはハナレイ川に行ってこそ見ることのできる特別な景色と言っても過言ではない。ハナレイ川のカヤックツアーでは、カヤッキングを気軽に体験できるベーシックなツアーから、シークレットポイントでシュノーケリングを楽しめるツアーまで様々だ。夏季は、ハナレイ湾からナパリ・コーストへ向かうツアーもオープンするので、体力に自信のある人はチャレンジしてみるのもいいだろう。

 リバー・カヤックで注意したいポイント

リバー・カヤックを行う際は、当日の天気予報を把握しておくことも大切なことだ。島の天候は場所によって非常に変わりやすい。下流で晴れていても上流の山岳地で雨が降れば、鉄砲水となりあっという間に水量が増し危険な状態になる。また、カウアイのほとんどの川では、午後になると海風が上流に向かって吹き始める。追い風に向かって漕ぐエネルギーを計算に入れておくことも無理のないカヤッキングのキーポイントになる。慣れない環境で不安を感じる人は、ガイドやインストラクター付きのツアーを利用するのもいいだろう。

オープン・カヤック Open Kayak

カヤックをよりエキサイティングに楽しみたいなら海でのカヤッキングも人気だ。日本向きのオプショナルツアーでは、シー・カヤックと呼ばれていることもあるだろう。澄みきった海、キラキラ輝く太陽、水面下のトロピカルな魚たち、海岸から見るカウアイ島の絶景は最高だ。

オープン・カヤックは、時期に応じて季節限定のツアーもチェックしてほしい。夏季にあたる5月から9月頃は、北海岸沖が比較的穏やかになるため、ハナレイからナパリ・コーストへパドルアウトするツアーが催行されている。10月から4月頃は、南海岸沖が比較的穏やかなになるため、ポイプからコロア(ラワイ)の海岸線を巡るツアーがオープンする。いずれのツアーも海のコンディションが良ければ、陸路では容易でないシークレット・ビーチへ上陸してピクニックを楽しめるのが嬉しい特典だ。半日に及ぶ長いタイムスケジュールになるので体力を調整して臨みたい。

 オープン・カヤックで注意したいポイント

オープン・カヤックで大事なことは決して無理をしないことだ。海のコンディションは、天候や時間とともに刻々と姿を変えるため参加者自身でも細心の注意を払う必要がある。特に、シュノーケリング・ポイントやシークレット・ビーチがスケジュールに組み込まれている場合は、それぞれの目的地のことを十分に把握しているガイドやインストラクターがサポートしてくれるツアーに参加することが望ましい。カヤック自体はコツをつかめば誰でも楽しめるスポーツなのだが、海のカヤックに関しては、波の影響もありよりエキサイティングで高度な技術を要する。そのため、海で泳げることを前提として、体力に自信のある人、カヤック経験者向きのアクティビティーと言えるだろう。

Column旅のワンポイントガイド

カウアイ島の主なカヤックツアーは、主催会社のオフィスで手続きしたあと車で移動するが、カヤッキングのスタート地点に到着したら陸を離れることになるので手荷物は必要最小限に準備しておくことをオススメする。服装は、水着着用のうえ濡れても問題ないTシャツやパーカーなどの軽装でカジュアルなものがいいだろう。防寒・雨天対策として薄手のウィンドブレイカーやポンチョがあるとより万全だ。足元はウォーターシューズやスポーツサンダルなど濡れてもいい靴を用意しよう。その他、タオル、日焼け止め、サングラスや帽子はストラップや紐付きがベスト。特に森林でのトレッキングが含まれているツアーの場合、虫除けは必需品だ。撮影に使うカメラやスマートフォンは、念のため防水対策を施しておこう。また、ほとんどのツアーでは、ライフベストや防水バッグが含まれていることが多いようだ。